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純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2002年9月のニュース一覧
▼[2002.09.30]鍵
▼[2002.09.29]ノートパソコンの2歩目まで
▼[2002.09.28]メール三摩提
▼[2002.09.27]P2Pの商売&ワームの「まず」
▼[2002.09.26]レディ・Mの憂鬱
▼[2002.09.25]古典的ウェブ遊びの巻
▼[2002.09.23]ネオ・スペース・アイコナイズ
▼[2002.09.21]ダメぢゃない社会の作り方
▼[2002.09.19]半月の闇の方
▼[2002.09.17]メディア・シンク・ランデブー 2
▼[2002.09.16]メディア・シンク・ランデブー
▼[2002.09.15]カレンダー日和
▼[2002.09.13]基本的iアプリ
▼[2002.09.11]トゥ・ザ・ネクスト・ドライブ
▼[2002.09.10]想いをすべて
▼[2002.09.09]無理問答
▼[2002.09.08]あなたが隣にいること
▼[2002.09.06]痛み,想いのライン
▼[2002.09.05]これから根付く,本当のナップ
▼[2002.09.04]賢く生きる術
▼[2002.09.03]アンバランシングな黄金律
▼[2002.09.01]笑顔の真実

■2002年10月のニュース一覧
■2002年08月のニュース一覧


 
[2002.09.30]
  鍵


 ▼distributed.netが64ビット暗号「RC5-64」の解読に成功(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0927/rsa.htm


 ディストリビューテッド・ネットが,64ビット暗号「RC5-64」の解読に成功した。ディストリビューテッド・ネットは解析に4年間をかけ,33万人以上の参加者が587億4759万7657ユニットの鍵空間を調べ,解読鍵を発見した。

 鍵はそこにあった。周りは黄金色のすすきが一面に揺らいでいたが,まるでそこだけまだ夏が残っているように緑を広げる,大きな大きな1本の木の下。そこにあった。「残念ながら,本の中には鍵はないんです。そして,世界という一冊の書物の中にも鍵なんてない。では何処にあるのか? ひとつヒントを云いましょう。『扉を開くには,想いが必要です』」。

 想いの中に鍵はあった。あの木の下だ。僕は走った。全速で走った。息は切れ,血の匂いがした,腕も足も,気を緩めたら外れてしまいそうなほど振り続けた。走るのをやめちゃダメだ。やめたら,想いの中のあの場所へは,たどり着けない。「開かない扉に存在意義などないのだから,扉には鍵が必ずある。鍵のない扉など存在しない。…普段,鍵のかかっている,心,も同じだ」。

 何日走り続けたのだろう。地平線なんて本当はないんだということがわかるほど走り続けたそのとき,僕はたどり着いた。あの日と同じ夕陽の下,一面の黄金の原,でも,あの木はなかった。絶え絶えの息の中,見上げても薄明かりの星がみえるだけで,緑木はない。鍵もない。ああ,やっぱりそうなのかな。いつも欲しいものはみつからないもの。でも,そのとき。なんの意識もせずに涙は目からあふれ,地に落ちた。すると,そこから…。「欲しい鍵はいつもみつからないものさ。欲しいと思う心の扉を開く鍵も,いつもみつからない。でも,でもね。あとは,想いだけなんだ」。




 
[2002.09.29]
  ノートパソコンの2歩目まで


 ▼クリスマスシーズンはノートパソコンに注目(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020926-3.html


 デスクトップをノート型にしただけの現在のノートパソコンは,まだ第一世代でしかない。でも,第二世代の登場を促す材料が揃ってきている。数年後,今のノートパソコンは,もう存在しないかも?

 パソコンメーカーは,今年のクリスマスシーズンに向け,新型ノートパソコンを準備中だ。1年を通じて低調だったパソコン市場で,ノートパソコンだけは好調な売り上げを記録した。今年のクリスマスシーズンは,ノートがデスクトップの売り上げを上回ることは誰も疑っていない。

 アップル社のパワーブックもビルドアップの噂がある(O'Grady's PowerPageの記事)。1.2GHzで,新しいマザーボード,ブルートゥース接続をサポートし,OS Xでのみ起動する。…で,OS Xでのみ起動となると,アップルは2003年からそのハードを提供するとしていることから(アップル社のリリース),1月の米国でのマックワールドエキスポに発表がずれ込むのでは? という話。クリスマス向けに出したいところだが,新しいマザーをいかす方が得策,という判断だ。だがそれらの身近な話をちょっと置いておいて,ノートパソコンには次々と大きな変化が迫っている,というのはよく聞く…。

 TDK社からの新型ハードディスクヘッドの話も,そのひとつにつながる(MYCOM PC WEBの記事)。そして,現在の10倍ほどの充電能力を持つ,メタノールの燃料電池(WIRED NEWSの記事)。さらにノートパソコンをノート型でなくするために必須となる,有機発光ダイオード・ディスプレー(OLED)の利用(WIRED NEWSの記事)。デスクトップパソコンに比べ,破格的に進化する材料が揃っているノートパソコンは,みていて面白い面白い。




 
[2002.09.28]
  メール三摩提


 ▼2006年には世界のメール数が1日当たり600億通に〜米調査(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2002/0927/idg.htm


 メールだけの友情,メールだけの恋愛,メールだけの仕事,メールだけの勉強,メールだけのヤジ,メールだけの親愛,メールだけのセックス,メールだけの…,なんでもある。

 IDC社は,個人間のメールのやり取り,スパムメール,通知メールの急増により,1日あたりの世界の電子メール数は2002年の310億通から,2006年には600億通へと増加すると発表した。スパムメール対策のためのフィルタ機能の導入が望まれている。

 まだ,電子メールが1通もやり取りされていなかった時代。それからわずかな年月で,1日に600億通になる。そこにどんな変化を読み取れる? 私たちは数年前に比べて600億倍のコミュニケーション能力を身に付けた? いや,大切な,人と人を結んでいた言葉が600億分の1の価値しかなくなったの?

 いや違うな。1日に百万語を語り尽くす饒舌家と,一言もしゃべることがない無口な人が,実は同じことを考え,同じ量の思いを抱いている,ということはあり得る。量はたいした意味など持たず,何に使うのか? が焦点なのだろう。だがそう考えると,テキストメールはスパムという意味のないやり取りの増加で破綻する。そして別の,より直接的なコミュニケーション手段が生まれる。みつめることができる,嗅ぐことができる,触れることができる,抱きしめることができる,そんなメールが,当然のこととして生まれる。




 
[2002.09.27]
  P2Pの商売&ワームの「まず」


 ▼レコード業界の攻撃を巧みにかわすファイル交換サービス『カザー』(WIRED NEWS)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0209/20/cead_vamosi.html


 ピア・トゥ・ピア(P2P)で商売をするなら,全然自分の知らないところで誰かが行動するのを許せなければいけない。そうでなければ,無知な訴訟を起こして笑われることになる。

 ファイル共有ソフトのカザーを運営するシャーマン・ネットワークス社は,米国,バヌアツ,オランダにオフィスを置いて攻撃をかわしている。オランダではカザーに対してレコード会社が起こした裁判で,カザーのソフト配布は違法ではないという判決が出ている。

 カザーが悪いことをしているという認識がそもそも間違っている,というのはいつも云っていることなのでそれで終わらすが,この,どこかにいる誰かさんは,ずっと居続け,誰も何も止められない,ということは,あちらこちらで最近話題を振りまいている問題だ。中国でのグーグルへのアクセス遮断も他のミラーサイトなどへのアクセスは遮断されずに残っていたわけだし(@ITの記事),昨日のピア・トゥ・ピア型ワームも同様だ(過去記事)。

 きちんとフリーネット型で稼働するワームを流せば,攻撃を行う人間のいる場所がつかめなくなる。ファイル共有のような検索の即時性が求められるわけではないので,『攻撃を行え!』という情報の流通もまったりさせていい。それでDDos攻撃を行うのなら,情報流通の周期期間より先に攻撃日時を設定すれば問題ない。ネットワークは知っている場所・人だけで稼働しているわけぢゃない。知らない誰か,がいることをきちんと知り,その誰かが行動するのは止められないことを認識した上で,なにごとも行う必要がある。まずは,それからだ。




 
[2002.09.26]
  レディ・Mの憂鬱


 ▼1年前はNimda、今はP2Pワーム(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0209/20/cead_vamosi.html


 甘い,でもとっても強さを感じる香りが,その湯気から溢れ出てくる。「でも,離れることなんてできないってことも知っているから」。

 ニムダがネット社会を強襲してからちょうど1年,独自にピア・トゥ・ピア(P2P)ネットワークを構築して活動するワーム,スラッパーが発見された。スラッパーはリナックスのサーバーに感染していくものだが,P2Pのファイル共有ソフトを利用したワームは5月以降,数種類が登場している。

 記事中にもある通り,同様のウイルスがより狡猾さを持ち,ワーム同士の通信に暗号化を施すと,…大ブレイクする可能性を秘めている。なにかそのワームに対策を取られたら,それを回避するアップデートをひとつ流せば,全滅されるより早く,そのワームの拡散が続けられる。もし,ファイル共有ソフトに同じような機能を持つワームが付着できれば面白い。ウイルス対策ソフトのアップデートをする回数よりも,ファイル共有ソフトを起動する回数・時間の方が圧倒的に長いはずだから,まぁ無敵だ。

 つながりは有益なことだけぢゃない。痛い恋愛を経験したレディ・Mは,ふと考え事をする度に,そんなことを思い返していた。いろんなものをもらった,そして私もいろんなものをあげたかもしれない。越えてはいけない一線,踏み出してはいけない領域をきちんと認識していたはずなのに,深いつながりはそんな意志を吹き飛ばしてしまう。「好きになっちゃったら,しょうがないしね」と,レディ・Mは嫌なことがあったときにだけ口にする,オカイティのダージリンティーから立つ湯気の向こうをみながら,感じていた。




 
[2002.09.25]
  古典的ウェブ遊びの巻


 ▼米アップルのサイトに不審な「隠し文字」 仏語で中古車情報(Mainichi INTERACTIVE)
  http://www.mainichi.co.jp/digital/network/archive/200209/20/1.html


 古典的遊びとして,隠しリンク,隠し文字,あとは隠しフレームなどもありますか。

 アップル社のウェブサイトに,同社製品と関係ないBMW社の中古車情報へのリンクがあることがわかり,謎を呼んでいる。リンクがあるのはMPEG4の情報ページで,ページのいちばん下に「:k:」という文字のリンクがある。クリックするとhttp://uncaptheride.com/babble.htmlのページに移動し,このページには背景色と同じ文字色で,フランス語によって中古車に関する情報が記されている。

 笑った(^^。発見されてからもう1週間近く経つのにまだ変わらずあるということは,なにか意図的な理由があるんだろう。BMWフィルムスのサイトでクイックタイムの動画を提供していることとなにか関連があるのでは? という意見が強いらしいが,さっぱり。

 なんとなく意味がありそうなリンクテキストもそうだし,移動先の背景色と同じ文字色を使うページというのもクラシカルな感じ(^^ゞ。古典的なウェブでの遊びっぽいんだけど,さてさて謎解きをするのはいつなのやら。笑いながら待つとしますか。




 
[2002.09.23]
  ネオ・スペース・アイコナイズ


 ▼あなたのマックに、自分の似顔絵のアイコンはいかが?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020917203.html


 ドット絵から写真への変化の次に来るものは,どんなもの? 触感はあるかな? 弾力となめらかさは?

 アイコナイズ・ミーというウェブサイトでは,1回15ドルで似顔絵によるアイコンを作成してくれる。このアイコンはマックOS X上のフォルダから電子名刺,iChatにまで使える。

 32 x 32ピクセルのOS 9のアイコンから,128 x 128ピクセルのOS Xのアイコンに変化したことは,クレヨン画から写真になったぐらいの違いはあるだろうか? 確かに,OS Xになってからアイコンのドットを数えることがなくなった。ソフトを開発している人は,作ったソフトにどんなアイコンを付けたらいいか悩むことが多くなったらしいけど。

 だが,だ。OS Xを使っていて思うのは,これが移行期のOSであるということだ。OS 9までのデスクストップという概念を基本とした理路整然とした空間とは違い,中途半端さが強く残っている。「デスクトップ」というフォルダアイコンがある妙な空間には,そもそも整合性がない。では,次の空間はどんな空間なのだろう? それは3DOSXのような空間かもしれないし(スクリーンショット),モニタ画面の四角の中にあるものではないかもしれない。そんなネオ・スペースで,アイコンはもう存在しなくなる。ピクセルではない存在が,必要だ。




 
[2002.09.21]
  ダメぢゃない社会の作り方


 ▼反則だらけのPS2オンラインゲーム(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020917-1.html


 それでその社会がダメになっても当然。うまく社会が形成できていっても当然。リアル以上に,リアルに結果は付いてくる。

 プレイステーション2のオンラインゲーム・サービスがスタートして数週間経ったが,ゲームの欠陥を利用して対戦相手に嫌がらせをするチーズ・プレイヤーにユーザーは頭を悩ませている。プレイステーション2をインターネットに接続して最初に出るのは,「対戦相手を尊重しよう」というメッセージだ。だがオンラインゲームは,フラストレーションがあっても機械相手では得られない面白さという恩恵の方が大きいと,ユーザーは認識している。

 私はドリームキャストで数種類のオンラインゲームをやったことがあるだけで経験は少ないので多くは語れないけど,そこにはオフラインのゲームとは比べることもできないほどの「意味」がある気持ちはわかる。リアルに顔を合わせるよりも思いや痛みが伝わるネットワークは,ゲームの上でも同じ(過去記事)。それは利点にもなるし,生死に関わる不利点にもなり得る。

 ゲームキューブ版PSOは痛い問題に当面してしまっている(セガとソニックチームのおしらせ)。通常のゲームではなにか大きな裏技があるのがわかってもそれを行う,行わないは個人の自由であり,行わなければなにも変わらない。でも,ネットワークゲームでは,周りのすべてが一変してしまう可能性がある。そして,そういう行動を取る人間を止める手立ても少ない。最終的に,ユーザーの良心に頼るというソニックチームの決定は無謀ではあるのだけど,それを活かしたいというユーザーの気持ちを引き出せるかもしれない。また,それを期待したい。ソフトの欠陥と呼んでもおかしくないだけに事態は深刻だけど,せっかくのオンラインで,誰も信用できない,まず疑うことからはじめなければいけないなんて,切ない。




 
[2002.09.19]
  半月の闇の方


 ▼P2Pは違法でも不道徳でもない、と業界団体(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2002/Item/020918-5.html


 月がその姿を影に隠さない日は,15日間のうち,わずか1日しかない。

 ストレージ技術会議の席で米国家電協会の会長は,レコード会社と映画会社の著作権保護キャンペーンを厳しく攻撃しはじめた。著作権コミュニティは,技術系企業と協力して違法コピー防止技術を導入した方が目的をうまく達成できるはずなのに,訴訟や広報活動を駆使し,テクノロジーそのものに宣戦布告している。

 月は,簡単に云うとほぼ半分は闇に隠れている。明かりに照らされている部分は,半分だけ。ちょっとでも月が闇に隠れている日は,100%光を浴びている日の14倍もある。静かの海も危難の海も豊かの海も,半分の日にちは闇に隠れている。それに,腹を立てても仕方がない。月が新月だけで夜空を回ることなど,ありはしないのだ。

 地球にも,夜がある。昼にやることと,夜にやることは,おおむね違う。犯罪が夜に起こるからと,人工灯で夜をなくしても犯罪はなくならない。みんなが夜にセックスをするからと,夜の闇をなくそうとしても男女の仲は変わらない,汚らわしさは消えない。闇はいつもある。夜はいつもある。表に出ない歴史,光を浴びぬ真実が,いつも世界の半分を占めていることは,誰でも知っている。ネットワークは正直にその部分を吐露する。ピア・トゥ・ピアにみえる姿とは,人間,そのものでしかないのだ。それにガタガタ云う人間の愚かしさは,みていて恥ずかしい。




 
[2002.09.17]
  メディア・シンク・ランデブー 2


 ▼強まるデジタルコンテンツ規制に反発するオープンソース陣営(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/business/story/20020910103.html


 すべてのメディアは,ネットワーク上に,フリーで,当然,あるべきだ。

 メディア企業の幹部たちは,デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)に類似した法案を可決させようと米国議会に圧力をかけている。米国ではテレビのデジタル放送に,再生できる環境を制限する放送フラグが追加される予定だ。音楽業界はパソコンで再生できないCDのテストをしているし,DVDはユニックスOS上では再生できない。

 問題は,テレビ放送のデジタル化にフォーカスされていく。日本でも地上波放送のデジタル化が取り沙汰されているが,米国でも事態は同じだ。そしてデジタル化された放送はそのままパソコンでキャプチャされてネット上で共有される,というのがハリウッドの云い分(それはほとんど妄想に近い)となり,記事にある新しい著作権管理法の制定に直結している(TidBITSの記事)。ほぼこの法案の成立は確定的なようで,もちろんDMCA同様,再生環境を制限する放送フラグをクラックして,キャプチャした動画をDVDに焼くことも,他のパソコンで再生することも違法行為となる。

 そしてこの法案は,昨日の過去記事に背を向けてくれる。昨日の記事はランデブーべた褒めの記事ではなく(まぁ好きだけどね(^^ゞ),メディアはすべて,ネットワークとランデブーする,という意図のものだ。ラジオ,テレビ,音楽,映像,映画。ネットワーク上に存在できないものには,価値がない。ネットワーク上にあってこそ,意味を持つ。結局,どんな規制をしても役に立たないのはわかっている。DVDビデオをコピー・リッピングできないと思っているユーザーなどいないし,ドライブによってコピープロテクトCDを簡単にリッピングできることもみんな知っている。そしてすべての音楽とビデオは,ネットワーク上に存在する。もう一度繰り返す。すべてのメディア(音楽も,映画も,出版も)は,ネットワーク上に,フリーで,当然,あるべきだ。




 
[2002.09.16]
  メディア・シンク・ランデブー


 ▼Philips sets up a 'Rendezvous'(INTERNATIONAL Herald Tribune)【英語】
  http://www.iht.com/articles/70264.htm


 ランデブーのためのメディアだけが,未来を創る。それ以外の,前時代のメディアには,死神がやってくる。

 アップル社のスティーブ・ジョブズCEOは,ヨーロッパ最大の家電メーカーであるフィリップス社がランデブー・ネットワーキング技術をサポートすることに合意したことを明らかにした。以下はジャーナリストとの対話からの抜粋。「パソコンがデジタル・ハブとなるアップルのビジョンは絶対正しい。パソコンのないデジタル・オーディオ・プレーヤーもデジタルカメラもないし,数年後には携帯電話もその仲間に入る。iPhoneについては,発表していないので述べることはない。アップルはタブレットPCが成功するかどうかは知らないが,それを実現するための手書き認識などの技術はすべて持っている」。

 ランデブーも(過去記事),マックをデジタル・ハブの頂点とするビジョンに適合する。それも,より汎用性があり,活用の度合いが広く,すべての家電をマックに引き寄せるほどの力を持っている。だから,フィリップスがランデブーを導入するという発表は,プリンタメーカーがサポートするという発表とは比べ物にならない破壊力を持っているんだ。フィリップスは来年にも,デジタル・ミュージックをランデブー経由で再生できるステレオ・システムをリリースするという。

 デジタル・ミュージックには強気の姿勢を崩さないフィリップスが(過去記事),iTunesでのMP3ストリーミングをこれ以上ないほど手軽に実現するランデブーに手を伸ばすのは,当然といえば当然の流れ。デジタル・メディア(音楽も,映像も)とネットワークの密なる融合という洪水の如き流れのなかで,それに背を向ける者には未来を創る力などなく,無視するときに来ている。たとえそれによって,地上から音楽が消えても,今よりきれいな音楽はまた生まれてくる。ランデブーには,その音楽の方が心地よい。




 
[2002.09.15]
  カレンダー日和


 ▼Apple、iCalをリリース、ダウンロードが可能に(ZDNet Mac)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0209/10/ne00_icalj.html


 「昨日買ってきたグレープで,週末にジャムを作るんだ。ちょうど酸味が落ちてきた頃だって,果物屋にいた猫先生も云ってたしね。ねぇ,来週になったら,一緒に,食べようね」。

 アップル社のCEO,スティーブ・ジョブズ氏はアップル・エキスポ・パリの基調講演でiCalがダウンロード可能になったことを発表した。ジョブズ氏は「人生においてカレンダーを管理するのは大変なこと。iCalはインターネット上でカレンダーを共有するためのブレイクスルーを達成した」の述べた。

 「あっ,ほら,キンモクセイの香り。そうか,もうそんな季節なんだね。おぼえてる? 去年の秋,草原を駆けていった白兎についていったらたどり着いた,一面のキンモクセイの林。気が狂いそうな香りだったけど,ふいに降ってきた雨を木の下で避けていたら一瞬のうちに全部の花が散っちゃったっけ。…そうだ,ねぇ今年もあの草原に行ってみようか? あの白兎は,今年もいてくれるかな?」。

 「昨日のカレンダーにあった今日の予定は,もう昨日の予定になりそうで,ならその昨日の予定のために用意していた昨日の前の日の予定は,今日の予定のための大切な昨日の予定なんだよ…って,この街のもう1人の市長のディスマンさんが云ってたんだ。感動的でしょ? ねぇ,ローズアダージョの練習の予定は,明日よりも昨日の方がいいかな?」。




 
[2002.09.13]
  基本的iアプリ


 ▼アップルがスケジュール管理ソフト『iCal』を無償公開(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2002-0911-J-4.html


 iCalは派手さはないけど,デジタルデバイス,そしてネットをフル活用し,iアプリの基本をきちんと踏まえている。

 アップル社は,マックOS X用のスケジュール管理ソフト「iCal」を無償公開した。複数のカレンダーを管理し,ドットマックやウェブDAVサーバーを利用して他のユーザーとインターネット上で共有できる。

 いままでのデジタルハブとしてのiアプリとは趣きがちょっと異なるが。よくよく考えるとiCalもiSyncとの連携によってiPod,携帯電話,パームなどを活用する立派なデジタルハブのアプリであることがわかる。で,実際使ってみるとやはり使いやすい。直感的にわかるようになっているし,スケジュール管理なんて面倒だからやらない,と云う人でもそんな苦労なく使える。別に予定表を使うほどスケジュールなんてないよと云う人も,テレビ番組の予約でも,雑誌やCD・DVDの発売日でもなんでも手軽に記しておける。

 オフィスなどでそれぞれ個人でスケジュール表を作成し,書き出してひとつのパソコンに集め,すべての人のスケジュールをひとつのカレンダーにまとめることもできる。そしてなによりも大事なのが,スケジュールの公開機能。いつも相手のスケジュールを確認しているような間柄なら,これだけで解決する。デジタルハブとして,写真・動画・音楽等ばかりが目立っていたけど,実利面の大きさを感じられるのがiCalとなっている。




 
[2002.09.11]
  トゥ・ザ・ネクスト・ドライブ


 ▼Maxtor、320GB/250GBの大容量HDD「MaXLine」(Impress PC Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/2002/0910/maxtor1.htm


 クルクル回っている現在のハードディスクドライブでは,凝り固まった人間の思考からジャンプすることはできない。無限地獄の回転から,逃れる答えは,ネットワークだ。ドライブ・トゥ・ザ・ネクスト・ドライブ。

 マックストア社は大容量・高信頼性ハードディスク「マックスライン」シリーズを発表した。320GB〜200GBが用意され,価格は299.95ドル〜399.95ドル。平均故障時間は100万時間となっている。

 最初はサーバー用途になるだろうが,すぐにデスクトップ機,ノートにもこの容量はおりてくるだろう。現在店頭にある20GB〜120GBもすぐに300GBオーバーになるのかと思うと,遠い目をしてしまいそうだけど,異常なことぢゃない。私のハードディスクにあるいちばん大きなファイルはDVDビデオのイメージファイルである4.4GB。これをいくつも保存しておくには,300GBオーバーと云うのはたいした大きさではない。当たり前のサイズであって欲しい。

 だが。そんな欲望には果てがないのは当然なので,ハードディスクはいつの日か大きな変貌を遂げなければいけない。とは云っても,テープメディアからディスクメディアへの変化のような変わり方ではなく,それはもっと違うカタチになる。ネットワークドライブへの変化だ(過去記事)。なん100ギガバイト,なんテラバイトを実現するのに1枚のディスクは小さすぎる。このネットワークドライブに走り出せたとき,PCは次のステップにのぼれる。さて,どこのメーカーがはじめにアクセルを踏めるかな?




 
[2002.09.10]
  想いをすべて


 ▼「9.11」を記録にとどめるウェブアーカイブ(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020909206.html


 記憶も,想いも,意志も,痛みも,切なさも。

 昨年9月11日に起きた米国同時テロでの体験談や電子メール,テキストメッセージ,ウェブログなどを保存するプロジェクトが活動している。ザ・セプテンバー11・デジタル・アーカイブザ・セプテンバー11・ウェブ・アーカイブなどだ。テロ以降,政府や当局は危険につながりかねない情報をウェブから削除しているが,それらのアーカイブに残っているものもある。

 ネットワークが気持ちを伝える伝達経路ではなく,気持ちそのもの,だとしたら,想い出も記憶も,いつまでも変わらずに,すべてネットワーク上に存在している。ネットワークがより強く想いを伝えるのも,その証拠だ(過去記事)。それを,新聞や教科書に書かれていることと一緒にしてはいけない。「歴史」は事実とは違う。「歴史」とは,過去を再構築したものに過ぎない。だから,作り替えることもできるし,捏造することもできる。

 それに対してネットワークには,そのときの気持ちが今もうごめいている。あとから意図的に変造した歴史ではなく,事実である「気持ち」がある。教科書や今日の新聞の社説を捨てて,ウェブ・アーカイブをみると,その違いがすぐにわかるだろう。そしてこれは,歴史的事件についてだけぢゃない。私たちの今の気持ちも,次々にネットワークにパッケージ化されていく。気持ちのすべてが,ネットワークに流れて行く。好きなもの,嫌いなもの,辛かったこと,優しかったこと。想いを,すべて。




 
[2002.09.09]
  無理問答


 ▼MS、コンピューターからの締め出し攻撃について警告(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020905301.html


 「えぇ〜,毎度ばかばかしいお話で一席お付き合いのほどを」。

 マイクロソフト社がウインドウズ2000がネットワークから締め出されるセキュリティ警告を出しているが,これがちょっと風変わりだ。この警告は切迫しているわりに,状況を見定めたり,防御を講じるための情報がほとんど提供されていない。もしシステムが感染してしまった場合は,OSを再インストールするようにとしている。

 「大変です,ご隠居」「なんだい八兵衛かい,騒がしいねまったく」「聞いてくださいよご隠居,なんでもあちこちのパソコンで設定が変わってネットが使えなくなるんだそうですよ」「なんだよそんなのはよくあるワームかなんかだろう,さっさとパッチでもなんでも当てちまえばいいだろうが」「いえね,それがなんでもパッチは出てねぇんですよ」「んぢゃあ感染しちまったらどおするんだい」「ええと,OSをもう一度インストールするようにとありますね」「…それはどっかの小学生かなにかが出している警告なのかい?」

 「いえいえMSさんが発布した警告ですぜ」「…それにしちゃあ中身がなんにもない警告ぢゃないか。しかもOSを入れ替えろと云うのは対策って呼べるもんぢゃないだろ」「はぁまぁそんな気もしますが」「なんかあれだね,車が走ってないところで交通事故の話をしているような感じだよ」「んぢゃあ慌てる心配はないってことですかい?」「なにもしようがないだろ。または,そんなわけわかめな警告が出るようなシステムは使うなってこったな」「…え〜と,すみませんうちの会社には100台以上のそのシステムのパソコンがあるんですけど」「まぁがんばりな」「それだけですかい? なんか『おあとがよろしいようで』と云えないんですけど」「んぢゃあその警告とかけて,腹話術・どじょうすくい・皿回しと解く」「その心は?」「今の世の中では役に立つことはありません」。




 
[2002.09.08]
  あなたが隣にいること


 ▼AppleがRendezvousをオープンソースとしてリリース(ZDNet Mac)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0208/30/ne00_rendezvousj.html


 顔をみなくたって,あなたがいることはわかる。声を聞かなくたって,あなたが隣にいることはわかる。手を伸ばせば,すぐに触れられる,手を握ることができる。

 アップル社は,LAN上で自動的にプリンタなどのデバイスを認識できるゼロコンフィギュレーション規格であるランデブーをオープンソースとしてリリースすると発表した。ゼロコンフ規格はいくつかあるが,実用的な規格の実装はまだなかった。

 IPネットワーク上では必ず相手を呼ぶための符号が必要となる。それはホスト名であることもあればIPアドレスであることもあるし,MACアドレスかもしれない。ブラウザでウェブページを呼び出すにも,WinMXでファイルのやり取りをするにも,メールを受信するにも必ず必要だ。すぐ隣のパソコンと接続するのだってその作業が必要となる。それをなくし,圧倒的な利便性と機能を提供する現実的な唯一の規格がランデブーとなる。隣にあるパソコンを簡単に発見し,利用する,たったそれだけのことが今までIP上ではできなかったが,ランデブーがその筋道となる。

 iChatでは,チャットウインドウに文字入力すると同時に,相手にその文字が送られるというランデブーによる機能がある。これを利用すれば,別々のパソコンの特定のソフトで同時に同じファイルの編集作業を行う,ということも可能になるだろう。他の人が同じソフトを立ち上げれば,すぐに編集作業をしているのをみつけられ,参加できる。また,他のパソコンで再生している音楽を他のパソコンで聴けるiTunesのランデブー化はすでに公表されているが,クイックタイムプレーヤーをランデブー化してMPEG4ストリーミング機能を標準搭載し,他のパソコンでもストリーミング再生できるようにしたら…。1台のパソコンで再生しているMPEG4動画を,ネットワーク上のどのパソコンでも再生できるようになる。ランデブーとは,IPに欠けていた,愛している人の手をすぐに握れる,優しい,でも奇跡的な技術なんだ。(ニュースネタ元:DCC-JPL Japanさん)




 
[2002.09.06]
  痛み,想いのライン


 ▼英でショート・メッセージによるいじめが深刻化(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20020905207.html


 痛み,想いは,具現化されたラインをたどり,心をえぐる,えぐる,深くまで。

 携帯電話やパソコンのインスタント・メッセージ・サービス,チャットなどでのいじめや脅しを受けている子どもが,英国では4人に1人にのぼる。いじめのメッセージを送られた子どもは甚大なダメージを受け,誰がメッセージを送ったのかと親友を疑いはじめ,最後には電話機を手放すこともある。

 直接面と向かって罵詈雑言を浴びせられるよりも,ネットワーク経由の言葉の方が,傷,が大きいのはなぜだろう? 話は変わるが,ネットで知り合って異性と付き合いだした,なんて云う人がいるとちょっと偏見の目でみられることがある。以前はかなり強かったが,今でも多少それは残っていると思う。メールで,チャットで,心を伝えることなどできるわけがない,直接会って話さなければいけない,と思い続けている人は多い。だが。

 ネットワーク経由のメッセージの方が,気持ちに直接訴えかける力が強いことを,みんな気付きはじめている。痛みも,想いも,直接の言葉よりネットの方が胸元深くにえぐり込んでくる。サーバー経由よりもピア・トゥ・ピア型のツールでは,それがより強くなる。なぜかと云えば,答えは簡単。ネットワークとは,人の心と心をつなぐ,太古からあるつながりを具現化しただけに過ぎないからだ。わずかの偏見がなくなれば,それは,より明確に,なる。




 
[2002.09.05]
  これから根付く,本当のナップ


 ▼Napsterが完全に消える(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0209/04/ne00_napster.html


 これから本当に社会に根付く,ナップスターの時代。そのときにふと振り返る,ナップスターとはなんだったのか?

 連邦裁判所が,ベルテルスマン社へのナップスター社の身売り計画を却下した。この身売り計画には,レコード会社などが反対していた。ナップスター社は,もう1年以上サービスを停止しているが,これで完全廃業となる可能性が高い。

 いくぶん,感傷的な気分にさせる記事だが,よくよく考えてみればそんな気分に浸る必要性など,まったくないことを思い知る。ナップスターへのサヨナラは1枚の画像だけで十分。1歩引いて思い返せば,ナップスターは,はじまりだったに過ぎないのだ。そして,その「情報共有」の価値は,永遠になくなることはない。

 はじまりとして,教えてくれたことは偉大だった。ナップスターは音楽を共有するなんてくだらないことを云いたかったわけぢゃない。「情報の共有」。すべての情報は共有され,自由に流通し,そして世界を形作る。それは世界のはじまりの時から約束されていた社会の姿であり,今後の社会はその形なくしては成り立たない。想い出に浸っている余裕はない。ナップスターは,これから本当に根付き,時代の幕を開くんだ。




 
[2002.09.04]
  賢く生きる術


 ▼中国国内、検索エンジン「グーグル」利用不能に(Sankei Web)
  http://www.sankei.co.jp/news/020903/0903kok002.htm


 今の社会は彼の,彼女の言葉,いや言葉だけぢゃなく表情も身体もすべてにアクセスできなくするのが簡単な社会だ。ネットワークは,そんな社会から当然進化する。間もなく。

 中国国内のプロバイダーから,検索エンジンのグーグルにアクセスできなくなっていることがわかった。中国では11月の共産党大会を控え,当局がネット上での言論規制を強化している。

 70年代かよと思わせるような「レッド・ウォール」だが,そのときは新聞や雑誌,TV,ラジオがメインだったが,今なら当然ネットワークに高い壁が築かれる。この情報遮断は別に共産主義国だけでなく,日本でだってやろうと思えば簡単にできる。指定のホスト,IPアドレスへのアクセスをプロバイダーでシャットダウンするのなど簡単なこと。気付かないうちにアクセスできないサイトがあってもおかしくはない。

 現在のサーバーを中心とした社会では,そのようなことを防ぐ手立てはない。今のネットでは著作権が…とか,サイト上で悪口を云われる…とか,ここぞとばかりにネットの悪,を口にする人がいるが,そんな弊害ははじまりのはじまりでしかない。ピア・トゥ・ピア型のネットワークに,フリーネット的な匿名性が加わる次のネットワークでは,言葉を発した人もファイルを流した人もわからず,特定の発言・ファイルを遮断することもできない。そのとき,現在のネットを悪く云うことしかできない人たちは,どうやって生きていくのだろう? さて,どのように賢く生きていかなくてはいけないか,わかるよね。




 
[2002.09.03]
  アンバランシングな黄金律


 ▼Netscape 7.0登場、AOL-TWファミリーの連携で巻き返しを図る(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/08/30/51.html


 アリムが,ロアクストバール家に引き取られたのは12歳のときだった。みたことのない洋服,みたことのない食器,みたことのない家具。高貴な,という冠がいつでも付くロアクストバール家になぜ自分が引き取られたのかアリムにはわからなかった。翌日の晩,アリムのお披露目と云う意味もあったんだろう,小さなパーティが開かれた。今までみたこともない目つきをした人に囲まれ,なにか挨拶をするようにと云われながら声も出せないでいるアリムの頭のなかには,ひとつの言葉しかなかった。「ここは,私のいる場所じゃない」。

 AOL社傘下のネットスケープは最新のウェブブラウザ「ネットスケープ7.0」正式版をリリースした。タブブラウザ機能,ページ中の文字を選択しての検索機能などを備えている。また,AOL社のエンターテインメント・コンテンツやサービスを組み込んでいる。

 AOLはネットスケープの扱いには,とてつもなく慎重だった。下手をするとモジラ・コミュニティから反発を買うだろうし,「利用している」という印象を与えないようにしている。同じく傘下のヌルソフトについても同じだ。だがここで,ウインアンプ3とネットスケープ7による黄金律ができあがった。これによって,ウインドウズ・メディア・プレーヤー,インターネット・エクスプローラー,アウトルック・エクスプレスを使わなくてよくなる。このときのための,今まで,だった。

 ネットスケープブラウザをみても,ウインアンプをみても,AOLの影が非常に薄い。このときのために,買収をし,さまざまな問題が起こっても我慢してきたのに,それでもまだ,強突く張りな印象を与えないように気を使っている。相手がMSだから,余計慎重にならざろうえない。ただ,それがかえって,ネットスケープとヌルソフトの人間の馴染んでいる印象を消している。アンバランシングな黄金律,それはちょっと危険な世渡りを必要とする。




 
[2002.09.01]
  笑顔の真実


 ▼姿を消した「ハッピーマック」アイコンに賛否両論(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020829301.html


 笑顔は消えてしまったけど,あの日の笑顔の意味を,ちゃんと理解してなんかいなかった自分は,思い返すことができる。

 アップル社は新しいOS「マックOS X 10.2 ジャガー」で,起動時に出迎えてくれる笑顔のアイコン「ハッピーマック」を,落ち着いたグレーで描かれたまじめなアップル社のロゴに置き換えた。ハードウェア・トラブルが起きた際の「サッドマック」や「デッドマック」アイコンについてはどうなったか明かされていない。「ハッピーマックは,真にマックの哲学を表現していた」という声もある。

 『作り笑いでない笑顔なんてないと気付いたのは,20歳の秋のことだった。もう子供でもない年になって,そんな簡単なことに気付いたことを恥ずかしくも感じたが,作り笑いとうそ泣きで世の中が回っていると知ったことは,ある意味でやっと大人になれた感じもした。悲しいことなんかぢゃない,それが,いたって普通の「真実」だったんだ。

 「今よりもっと大人になってから出会っていたら,もっと違ったかもしれないね」と云ったのは彼女の方だったけど,そう,その真実を知って付き合っていれば,もっとうまくやれていたのもしれない。「ハッピーマック」アイコンも,別にパソコンが喜んでいたわけぢゃない。ただ,その意味をきちんと理解できれば,パソコンと付き合うのは格段にうまくなっていただろう。今になって,そう思うんだ,と,あの日の君に話しかけてみる。』




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